さて、最近行動経済学の本を読んでいます。
その一環でマイケル・ルイス「かくて行動経済学は生まれり」を読みました。

- 作者: マイケルルイス,Michael Lewis,渡会圭子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2017/07/14
- メディア: 単行本
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この本ではダニエル・カーネマンさんとエイモス・トヴェルスキーという両者ともに聡明な学者が、どのような人生を歩み、銅のようにして行動経済学を研究していったかがかかれています。
マイケルルイスのモチベーション
わたしは出版されたマイケルルイスの書籍はほとんど読んでいます。いま、アマゾンを見ているとコーチというやつは読んでいませんがそれ以外は読んでいました。
この本を出版するきっかけとなったのは、映画にまでなったマネーボールに関する感想にこんな意見が混じっていたからだそうです。
「専門家の判断がなぜ彼らの頭の中で歪められてしまうのか。それは何年も前に二人の心理学者によって既に説明されている。それをこの著者は知らないのか」
この指摘を受けて、二人の学者の軌跡を追いかけて本にすることになったようです。さすがベストセラー作家。批判的意見を次の仕事に生かしています。
この本においては二人の学者の生い立ち、研究の行程などが記されています。私が気になるのは二人ともがイスラエル出身であることです。
イスラエルはご存知のように第二次世界大戦後に建国された国ですが、彼ら二人は建国から、もしくはそれに近いころからイスラエルに住み、生活をしていました。
そして、最近有名な行動経済学者のダン・エアリーもイスラエル出身です。3人著名な人を挙げでイスラエルの人はこのような合理的なことを考えたがるのかということを述べるのは、この本を読んで言うべきことではありませんが、そのような思考に陥りがちです。
そんな施行に陥らないようにこの本では、2人の学者さんが研究した事例が例示されます。
この本に書かれていること
勿論多くのことが書かれているのですが、この本でいわれていることは人間の脳は間違いやすいということがいわれています。
人間の直感は統計的に間違った答えを選択するし、過去にあった出来事に関しては関係あったのかよく分からないことを結び付けてストーリーを作り上げてしまう。また、紅葉を最大化するはずだが、非効率な宝くじのようなものにも参加し、説明の仕方や初期設定で回答が変わったりします。
例えば、広告メールを送るという選択肢が最初から「いいえ」になっていると、多分誰も広告メールを送ってほしいという選択肢を選ぶ人はいませんが、初期設定が「はい」になっていると、そのまま広告メールを受け取る人も多くなります。
人は経験則に頼るヒューリスティックの話では以下のようなものがありました。
「不確実ななかで予測や判断を行うとき、人は偶然の計算や予測の統計理論に従わないようだ。彼らは限られた数のヒューリスティックに頼る。それは適切な判断につながることもあれば、深刻な系統的間違いをうむこともある」
ちょっと考えてみると自分自身でもこれに当てはまることが多くありました。
次の例も面白かったので書いておきます。
ある一人の大学院生を精神科医が判断したとして「彼は知能は高いが、真の創造性が不足していて、きちんと整理されたシステムを求めるタイプだ。そしてSFが好きだ(本当はもっと条件が多いが書くのが面倒なのでこの辺で)」という情報を与え、彼の研究の専門はと人に尋ねると、コンピューター科学者だと答える人が多いそうです。
そんな感じで前提条件などを与えられると人は勝手に物語を経験則などから作り上げてしまったりするということが、研究とともに明らかにされていきます(ちなみに大学院生の問題は全体的な大学院生のうち、コンピューター科学者の割合は7%ということでそのころは低かったからオタクな大学院生だからといって確率的に低いところをこたえるのは間違いだということ)。
わたしがこの本を読んだモチベーション
何だかんだ偉そうに言いつつ、自分も大体の感覚で何でも進めすぎだなと痛感したことから、行動経済学の本を手に取りました。
そして、しっかりと現実を見ることと確率的なものの見方というのが少しわかったような気がします。
例えば株式の選択においてわたしのやり方は、私の考えの枠内で良いと思う銘柄を買う、下がると思ったら売るというやりかたなのですが、これは全然やり方ではなく、適当に売買しているのに等しいなと思ったわけです。
そんなこんなでしっかりとした枠組みを作るための考え方を学ぶということで、行動経済学を学んでいます。
この本を読んでいても人間は簡単に確率的な問題を本能的に間違うようです。その理由は様々ですが、先入観だけでもないように思いました。その辺りを排除してどのようにしていくかを考えるのに、凄くたくさんのヒントが落ちていました。
次の展開
今はダニエル・カーネマンさんのファーストアンドスローを読み始めています。

- 作者: ダニエルカーネマン,村井章子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/12/28
- メディア: Kindle版
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こちらはまだ100ページくらいしか読んでいないものの、生まれのことや研究課程は述べられておらず、こちらの方が行動経済学と心理学に関して知るには良いと思います。2冊あるのは長いけど、その分得られるものも多くなるでしょう。
なので気合を入れてこの本を読んでいきたいと思います。
この後は、資金運用にここで学んだことを加えていこうと思います。具体的には定量化ですね。現在のどたかん一本やりの手法を、個別とマクロ環境なような感じで定量化し、その評価によってポジションをどのようにするというようなことを考えていきたいと思います。現在のやり方は気分のムラによって変わる部分が多かったりで、儲かる時は儲かるけど、いまいちな時は何が悪かったのかいまいちわからないので、全面的に改良しようかなと。
トランプさんの支持率なんかを喜んでグラフにして喜んでるのも、妙にビューが集まるからというのもありますが、基本的に運用モデルに組み込んでいけたらなぁなんて考えのもと試しています。
外部環境などをどう定量化するかとか色々悩みはありますが、作っては壊しという感じで進めていきたいなと思っています。
作っては壊しで思い出しましたが、子供と遊んだカプラがかなり面白くてはまりましたwこの不安定なものを作っては壊しの感覚を小さいころから持っていると、そののちに伸びそうな気がしました。

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