さてさて、行動経済学を学ぶ第二弾のファースト&スローの上巻をようやく読み終えました。
この間読んだマイケルルイスさんの本と内容は結構被る部分があったものの、こちらの方がより詳しく書いてあります。
行動経済学の本を読むのって結構大変だなぁと思わされています。なぜなら、自分の脳が簡単に間違う問題が書いてあって「それを考えてみてください」っていわれて、考えないといけないからです。
すらーっと解ける問題が書いてあるならともかく、しっかりと考えないといけない問題ばかりがあるので、普通の読書以上に脳が疲れ読むスピードも遅くなります。
もくじ
システム1とシステム2
この本で話題になるのはシステム1とシステム2です。そしてシステム1が直観的に理解する脳、システム2がちょっと考える脳です。
で、システム1だけだと間違うことが多いからシステム2も使いましょうということかと思ったらそうでもありません。
上巻の最後の方では専門家が考えるよりも単純なアルゴリズムの方が良いということが書かれています。
この本にはいろいろなことが書かれていて、「あー確かにな!」と思うことばかりです。
幼稚園児のころにまじめで賢い子をみたら、将来もまじめで賢いということを想像してしまいますが、確率的にはそっちの方が高そうですが、そうでないケースも多々あります。
まじめでこの人は絶対そんなことしないと思っていたら、悪事に手を染めているなんてこともあります。
確率的な話は人間がわかりにくいというのがポイントでしょうか。
専門家は間違える
ダニエルカーネマン先生は大和証券のテレビCMにも出ていました。
そのCMでは話していませんでしたが、この本には金融の専門家の話も出てきます。何が書いてあるかというと、アドバイザーが付いていてもそれは特に意味がなかったということでした。
金融関連のアドバイス料金は高いのですが、たぶんそれはほとんど意味がないのでしょう。そこまで言ってたかどうかは定かではありませんが、そんな人をCMに使った大和証券は凄いですね。
そのほかにも病院の先生の判断は、教科書的な判断をもとに作った簡単なアルゴリズムに負けるなんて話もあります。これはマイケルルイスが前述した本を書くことになった要因です。
この辺の話は面白く、確かになという感じです。
考えたこと
人間は色々と間違います。そのために、定量できるものはなるだけ定量化し、それを活用しましょうということです。
簡単なモデルが専門家に勝るという話はとても面白い。私も決算時期は書類をどんどん読みますが、脳が疲れて決算が多い日は、ヘッドラインで「これはスペシャルやなー」みたいな決算ばかりを選択し、それは結局みんなもそうなので、あとの伸びが小さいみたいなことが多くなっています。
少ない時はヘッドラインにそんなにインパクトないけど、これ良いな―みたいなのが見つけられて、息長く上がってくれたり。出も多い時にこういうのを探すことはできません。一方で、最初のインパクトがすくない分(ギャップアップ)、このような銘柄の方がリターンをもたらしてくれることが多く、そして、スペシャル銘柄のようにボラがとんでもないということもなく、運用が穏やかになるということも最近分かってきました。
システム1、2ではありませんが、これらの銘柄を上手く使いこなすことが求められるのですが、一方で、決算が多い時期に後者を探すのが目視ではとても難しい。
というわけで、目視に頼るということが駄目なので、これまでも言い続けていますが、決算判断モデルを早く作らないといけないと思わされました。
あと、単純なモデルが専門家に勝てたというのは昔のことで、単純なモデルを発展させていっているというのが、昨今のビッグデータ、機械学習、ディープラーニングな世界なのかなと思います。
複雑化させすぎるのはいけないわけですが、その辺をちゃんと作っていきたいなと思っております。
ちょっと脳に負担が重すぎるのと、もともと脳が発達していないこともあり、難しいですが、下巻も読み進めたいと思います。

ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ダニエル・カーネマン,村井章子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/06/20
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