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いつからはじめても遅くない

Memo: This time is different

一世を風靡した「国家は破綻する This time is different」は、今回は違うといいながら毎回同じようにそれが起こるということでした。確かデータが間違っているとか何とかですったもんだがあったように記憶しています。

この度の危機はどうかという話を色々と読んでいると、GFC時と似たようなところと全然違うところがあることが見えてきました。各種指標をチェックした後、その辺りの話題を確認していきます。

指標

TEDスプレッドは1.15に上昇しました。前の記事から0.05の上昇です。

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https://fred.stlouisfed.org/series/TEDRATE

St.Louis連銀の金融市場ストレスインデックスは、中身がアップデートされていたらしく、前回見たものはディスコンになっていました。ストレスインデックスは5.78になりました。GFC時の最高値が9.2くらいなので、一気にかなりのレベルにまで急上昇しているようです。

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https://fred.stlouisfed.org/series/STLFSI2

ハイイールドのスプレッドは、10%台から9.29%まで一気に低下しました。株価のリバウンドもあり、資金流入がいったんあったのかもしれません。

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https://fred.stlouisfed.org/series/BAMLH0A0HYM2

市場の状態は以上のような感じです。金融市場のストレスは上がっているという感じですね。

各種の話題

以降では注目した話題に触れます。

オリンピックの延期

オリンピックの延期は3月24日に発表されました。なんか色々あってもう遠い昔のように感じられますが、先週だったのですね・・・

www.bbc.com

日本のGDP見通し

1~3月期のGDPの見通しは3月17日版のESPフォーキャストを見ると-2.89%となっています。次の調査は4月10日ですか。今週はたくさん経済指標が発表されるようなので、大きく見通しが引き下げられる可能性もあり注意したいところです。

www.jcer.or.jp

実体経済ヒアリング

前週は連日ヒアリングが行われていたようで、資料も出されていました。思ったのが、最後の日の経済政策以外の資料つくりが結構適当だなぁということでした。まぁ、忙しいからこうなったということでしょうが。これを見ていると、まだゴールデンウィーク辺りの需要を頼りにしている感もあるのかなぁというところ。今週末の感染者数の増大を見ていると、ちょっと厳しそうに思えます。

www5.cao.go.jp

ムーディーズ南アフリカ格下げ

投資適格からジャンクへの格下げ。まぁ仕方がないといえば仕方がない・・・。NYクローズ前か後かは不明ですが、月曜の動きに注目したいところ。

jp.reuters.com

欧州中銀、銀行に配当中止を要請

これは斜め上からトンデモナイ感じのボールが飛んできた感じを受けました。米国の銀行は全然大丈夫という話をたくさん読みましたが、ドイツなどを見ていてわかっていたことですが、欧州の銀行はちょっと気を付けないといけないようですね。日本はどうなのか?ちょっと本腰を入れて調べたいところ。配当目当てに銀行株を買っている人も多いので。

www.nikkei.com

アビガンに関する緊急レポート

中国でアビガンがかなり治療に役立っているという情報があるというのは以前から出ていましたが、昨日の安倍首相の会見でもその旨と大量生産が述べられていました。その後ググるとすぐにこのレポートが出てきました。

www.jmedj.co.jp

COVID-19は,感染者の20%が重症肺炎となり2%が死に至る感染症である。したがって,身近に重症者が出る可能性が高いことから,抗ウイルス薬について実地医家の先生方が患者に説明できることを目的に本稿を作成した。前回(No.5004「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のウイルス学的特徴と感染様式の考察」)の考察と中国の臨床試験から,発症6日までにアビガン治療を開始すれば,ウイルスの早期消失,咳嗽の軽減,肺炎の進行や重症化が阻止され,それにより死亡率が激減するであろう。さらに,若年者でも肺炎の後遺症である線維化や瘢痕化を最小限にすることができ,将来の呼吸機能の低下が避けられる。テドロスWHO事務局長が“kill”という表現を使ったように,COVID-19に殺されないためには,ハイリスクの年齢であったり基礎疾患を有しているのであれば,労作性呼吸困難(息切れや呼吸回数の増加)により肺合併症を早期に発見して,胸部CTで肺病変があれば,発症後6日にはアビガン治療を開始していただきたい。呼吸機能に予備能のない方を除けば,患者のADLを保ち,人工呼吸器装着者は減り,医療崩壊に至る可能性がなくなることが期待できると考えている。

※著者の利益相反として,アビガンの開発にかかわり,アビガンを製造する富山化学工業(現富士フイルム富山化学)と共同研究を行ってきた。

This time is different

レポートを色々と読んでいると、GFC時と今回の違いを書いているものも多く興味深かったので、その辺りの記事を残しておきます。

為替市場の動きの違い

JPモルガンの佐々木さんの見解がありました。

jp.reuters.com

  • キャリートレードがない
  • 海外への投資の継続、貿易黒字がない
  • 国内企業の換金売りがない

という感じでした。世界的な低金利で、あの当時あった円キャリートレードがないというのは確かに大きな違いですね。アイルランドなんかで円キャリーで住宅ローンを組んでいてとんでもないことになったというようなことが、あの当時は良く報じられていました。

金曜あたりから期末に向けた円の調達が増えてきたのか、円高に動いていますが、それでも107円台です。為替市場も流動性がどうなっているかわからないので動きは読めませんが、足元の動きは上のような見方があります。

市場を支える人の違い

野村総研の木内さんの週末の記事に、市場の値付け役が銀行からノンバンク(ヘッジファンド)などに移っており、体力のないノンバンクの値付け力が落ち、市場が不安定になっているということが述べられていました。

www.nri.com

上でもハイイールドのスプレッドの上昇スピードなんかを見ていると、いっきにMM力が下がっていることが分かります。バロンズを読んでいても米国の銀行は何の心配もいらないということが述べられていました。それを銀行に担わすのか、それともノンバンクに資金を入れるようになるのか、どうなるのでしょうか?

原油価格

これは明白な事実でだれも指摘しているわけでもないのですが、GFC時はWTI原油の価格が100ドル以上でした。リーマンの倒産を受け、一気に40ドルあたりまで下げていったのですが、今回はいきなり20ドルです。これは大きな違いです。

ここで注目すべきはソブリンウェルスファンドです。下にウィキペディアソブリンウェルスファンドの表を提示したのですが、ここを見て分かる通り、彼らの資金はほぼ原油です。

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https://en.wikipedia.org/wiki/Sovereign_wealth_fund

原油はこのレベルではもうからない、しかし財政支出が各国必要である。ということで、SWFが売りに来るかもしれませんねぇというのがちょっと思ったことです。

足元の株価の下落の反発は、この辺りの大きな資金のウェイト調整かなぁという感じがあるのですが、金融市場を支えているこの資金がどうなるかというのも、今後も気にした方が良いでしょう。

www.bloomberg.co.jp

ちなみにベイカーヒューズのリグカウントは先週比で44減少して728になったようです。

www.marketwatch.com

まとめ

オリンピックの開催延期発表後、日本の感染者数は増大し始めました。一方で、アビガンが効くということが会見でも述べられたので、それがいつから本格的に使われるのかというのが、今後の注目点となるのでしょうか?

また、次の記事にあるJPモルガンの調査によると中小企業60万社に調査したところ、半分の企業が27日の事業を支えられる資金を持っている。残る半分は持っていないということです。世界的にその辺りの状況は変わりません。誰かがGFCは銀行業を救わなければいけなかったが、今回はそれ以外を救わなければならなくなると、今回の最初の方に述べておられましたが、その発言から1カ月もしないうちにそのような状況になっているというのが、非常に恐ろしいです。

jp.reuters.com

追記

ロイターにてSWFがいくらか株を売るかもみたいな話がありました。

www.reuters.com