Kindle Unlimitedでインプットシリーズ第2弾は「ベゾスレター」を読んでみました。この本はどのような本かというと、アマゾンの創設者であるジェフ・ベゾスはあんまり公で会社の方針なんかについて話していないけど、実は年次レターを読むとその辺りをしっかり解説してくれている。実際には全部読んだ方が良いけど、筆者がそのエッセンスをまとめてくれたよ!という、なんともありがたい本でした。
この本ではアマゾンが重要視している成長への14か条をとりあげます。成長への14か条は次のように分けられています。
実験
- 「いい失敗」を促す、大きなアイデアにかける、ダイナミックな発明や革新を実施する
構築
- 顧客にこだわる、長期的な考えを採用する、自分の「弾み車」を理解する
加速
規模の拡大
- 企業文化を守る、高水準を重視する、重要な項目を計測し、計測項目を疑い、自分の直感を信じる、常に1日目だと信じる

- 作者:スティーブ・アンダーソン,カレン・アンダーソン
- 発売日: 2019/11/20
- メディア: Kindle版
正直、そうだったかぁという感じで、投資家的な勉強を怠っている私としては盲点でした。私は投資家としてのセンスは全くなく、アマゾンも昔から使っているのに株を買ったことがありません。終わっている。自分が愛用できるようなサービスの株を買うってのは、資金を預ける場所としてベストだと思うのですが、思いのほかそれが出来ず泣いています。今後は、それをできるように意識していかないと・・・
ちょっと話はそれましたが、私が気になった部分は次のようになります。
1日目
ベゾスのレターには常に最初に発行された1997年のレターの写しが添付されているそうです。これは、最初の思いを忘れないとの意味のようです。そうして、アマゾンの根本にあるのは「お客様中心」という概念です。アマゾンではいろいろなことが行われていますが、その行動基準となるのは「お客様中心」ということなのかもしれません。これは非常に興味深くいと共に、会社が動く際に行動基準となるモットーは貴重であると思いました。
決定には一方通行なものと変更することも戻すこともできるものがある
「決定は迅速に行う」という項目で表題が書かれていました。そうして、一方通行な決定、分かりやすく表現すると一度行ってしまうと戻れない決定には時間をかけないといけないが、一旦行ってもまた元に戻せる変化に対する意思決定には、それほど時間をかけないということが書かれていました。そうして、多くの決定は後者の意思決定であり、それゆえ素早く行動するということでした。
この考え方は斬新で興味深かったです。多くの場所ではこのようなことは意識されず、どれも慎重に同じようなプロセスを経て決定が行われます。予算が大きいほど、時間が欠けられるということはあるでしょう。しかし、そうではなく「不可逆」、「可逆」をベースに置き、意思決定にかける時間を考えるというのは斬新だと思うとともに、よいアイデアだと思いました。
しかし、どの事案がどちらに当てはまるか考える頭脳を持つ必要はあると思います。
「良い失敗」を促す
ここには根本にリスクリターンの概念があり、そのうえで良い失敗(発明、革新)というアイデアがあるような気がしました。
多くの人は失敗を恐れます。しかし、期待値のような概念を取り入れると、挑戦しがいのあるアイデアが分かります。損失が大きくても期待値的に大きなプラスであるならば、挑戦すべきであり、その損失が計測出来ていて許容範囲であるなら、会社として取れるリスクです。なんかこの辺りは金融的なアイデアですが、この本を読んでいて思ったのはベゾスさんは結構金融的なアイデアを事業に組み込んでいるということです。
そして、そのうえで良い失敗を促します。そうすることによりチャレンジできる環境ができ、企業としてイノベーションが生まれやすくなります。
チャレンジできる環境というのは、働く人にとっても良いですね。
まとめ
なんかこの本はエッセンスを凝縮しながらたとえ話もあり、非常に興味深く読めるとともに、経営にこのようなものはあると良いと思わされるものにあふれていました。
さすが世界のトップになる企業は違います。本の中には優秀な人を採用するためにやっていることなんかも書かれているのですが、その施策の中に「1年ごとに上昇する退職ボーナス(上限5000ドル年1000ドルアップ)」や「従業員の学習代(関係ない業界の勉強代も含む)の95%の会社負担」というものがありました。前者は買収したザッポスが採用していたシステムのようです。これは、やりたいことがあるがお金の不足などから働いている人が会社を離れる踏ん切りをつけやすくするもののようです。「辞めてほしくないが」という文面の元送られるようです。後者もやりたいことができるようにするサポートのようです。このような、やりたいことをできるように背中を押すようなシステムというのは良いものだなと思いました。
個人的な反省としてはこのようなレターの存在があるってのは知っていましたが、読んでなかったことですね。今年はダイモンさんのレターは読みましたが、それ以外読んでいません。これからはビジネスアイデアを練るためにも読みましょう。ビジネスアイデアはそのような優れた人たちの考えるものの派生から生み出すのが一番効率的に思います。
あと、これを読んで将来を眺めるためにはGAFAMなんかの買収動向をレターなんかでチェックしておくと良いという友達からのアドバイスを思い出しました。その辺りを攻めれたら良いなと思っていたのですが、これもチェックを忘れていたので、今後は実行しようと思います。
この本は、ベゾスの考えに触れられるという点でかなり貴重な本であると思います。

- 作者:スティーブ・アンダーソン,カレン・アンダーソン
- 発売日: 2019/11/20
- メディア: Kindle版
あと、先ほど話に出てきたザッポスの本も真似はできないけどこんな感じで会社を作れると面白いだろうなと思わされる本です。私も売れる1社目を3年以内に作ってザッポスみたいなことをしたいなぁと思っています。

顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか
- 作者:トニー・シェイ
- 発売日: 2010/12/03
- メディア: 単行本