「日本電産 永守重信が社員に言い続けた 仕事の勝ち方」田村賢司著を読みました。 筆者は「ちゃー^」のたむけんさんではなく、日経ビジネスの方です。
日本電産に関して対消費者相手の会社でないため、知らない人も多いかもしれない。日本電産はモーターを作っている会社です。モーターってwと思われた方はちょっと考えてみてください。今の時代、身の回りの多くのものにモーターが入っています。例えばちょっと前まで必ずPCに入っていたハードディスク、あれも円盤を回して書き込むわけですが、その円盤を回すのはモーターです。さてそのモーターの日本電産の世界シェアは・・・80%前後ですと明確な答えが日本電産のホームページにあります。
HDD用モータのシェアは? | 日本電産株式会社 - Nidec Corporation
今後はEVにも大量にモーターが入ることになると思われます。あれにも入ってますねドローン。ナンテコッタという感じですが、今後も期待大な市場な感じです。
さて、そんな市場で活躍する日本電産ですが、創業社長の永守重信さんがこれまたすごい方で有名です。1973年に起業され、45年で年間1.4兆円の売り上げる会社にまで成長させられたという事実を知るだけでもすごいということがわかりますが、なんとも個性的。初期の求人活動では早弁(早く弁当が食べられた人)採用をしたり、大声採用、早く来た人から採用したなんていう、大胆なことを行われていたというだけでも興味がわきますねー。 そのほか、最近の労働改革の流れで永守社長が残業ゼロにするとか言った!!というのは社会に衝撃を与えました。なんでそんなに驚かれたのかというと、永守社長は正月に2日くらい休む以外は毎日朝早くから夜遅くまで働くスタイルで有名だったのですね。
そんな永守社長の言葉を集めた本が出たということを阪急電車の広告で知り、楽天ブックスで買ってみました。楽天といえば配送が遅いイメージがあったのですが、1日出来ました。多分本を買うときも楽天から買うルートと他社のショップから買うルートがあり、楽天から買うと早いということなのかもしれません。ポイントも9%くらいついたのでamazonより安いです。この本は読み終わったら売却を考えているので実態のある方の本を買っています。しかし学びが多かったので、手元に置いておこうかと思っています。
ピックアップした5項目
- 結局はやる気!
- 「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」[心を動かす言葉16]
- 限界と思った時がネゴのスタート[心を動かす言葉23]
- 1人の天才よりも、100人の協調できるガンバリズムを持った凡才が会社を担っている[心を動かす言葉40]
- ネアカ、生き生き、へこたれず[心を動かす言葉9]
結局はやる気!
まずこの本で書かれているのはやる気を出さそうということです。雇われ側から見るとやる気を出そうということです。人の能力というのは永守社長曰く5倍も差がないそうです。しかし意識によっては100倍とか能力差が出るそうです。そしてそのやる気は経営者が出さすものだ!!ということです。うむ。 で、最初に書かれていることなのですが、結局はやる気ってことなのかなぁと本を読み終わって思っています。この本の真ん中の方に、日曜の夜は明日の仕事が待ちきれず、月曜の朝はワクワクして仕方がない という永守社長の話が載っているのですが[心を動かす言葉54]、どうなろうがこんな気持ちを持っていないと何ごとも継続することはできませんね。
上場ゴールする企業が多い中(上場できるだけでもすごいんですけどねw)、1兆円の売り上げを目指し、次は10兆円を目指すなんて言うのはやはりやる気がないとできませんね。
「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」[心を動かす言葉16]
うむ。これも恐ろしい言葉ですが、まさしくそうですね。なんでもやることを決めたら早く取り掛かった方が良いです。鉄は熱いうちに打てって言葉もあります。そして日本電産の場合、すぐに進捗を見て遅れていたりすると プロジェクトの目標に対して現実が外れていたり、環境の変化がないかチェックし、対応を考えるリスク会議というのがあるようです[心を動かす言葉24]。
さて、「やる」以外にもこんな言葉がありました。「泣かない、逃げない、やめない」[心を動かす言葉17]。とにかくやれということですね。泣いてもまぁ良いから続けましょう。そして進捗をチェックして外部環境との適合具合も確認ですね。
限界と思った時がネゴのスタート[心を動かす言葉23]
日本電産は予算に厳しい会社で、再建のために買収した企業では1円以上の購入品でも永守社長に稟議を出さないといけないそうです。そして、その稟議書には社長のコメントが書き加えられるそうです。「死力は尽くしたのか」[心を動かすことは33]なんて言葉が社長から書かれ帰ってきて、もうひと頑張りなんて話もあります。これは社長自身がどれくらいでできるか分かっているという金銭感覚を持っているということの裏返しでもあります。企業再建にあたってはまずは机にしまわれているペンを回収してこれだけ無駄があると見せるなんて話が何度もこの本に書かれていました。
そして相手と交渉したりするのにこのような姿勢で臨むようになるのですね。日本電産の最大の強みの一つは物事に徹底して当たることだそうです。この話でハゲタカ投資家だったかの本で、色々話がまとまりそうになった朝の誤字にさてこの件ですが見たいにもう一度切り出すタフネゴシエーターの話が載っていましたが、やはりそのくらいの心意気がないと世の中でうまくやっていけないのかもしれません。
1人の天才よりも、100人の協調できるガンバリズムを持った凡才が会社を担っている[心を動かす言葉40]
個性的な社長だから個性的な伸びを期待しているかと思いきや、協調性も必要であるということが述べられています。この前の39では我流では中堅企業にすらなれないということが述べられています。この後の42では「奇人変人の創業者とどう向き合えばよいのか」という話題が、65では1匹の狼が率いる49匹の羊の集団と1匹の羊が率いる49匹の狼の集団が戦ったなら狼がリーダーの集団が勝つ(これはナポレオンの言葉ではないかということですが)というような話題があります。つまり、組織の重要性もあるわけですね。
まぁ大きな企業というのは一人では仕事が勿論回せないものですが、そうでないと大きくはなれないということが述べられています。
ネアカ、生き生き、へこたれず[心を動かす言葉9]
私が永守社長の講演に初めて参加したのは2001年くらいだったかとにかく株価がガスガス下がってたまりまへんなーというときに、投資の日のイベントだったのですが、とにかく面白いおっちゃんやなーという印象でした。株に関しても毎晩「儲かる」と100回書きましょう。まぁ今はそれでも儲からんけどwみたいなことと、バイトできてたおばちゃんにも株をあげたら偉い儲かってたまに褒められるみたいな話をされていました。あんな大勢の前でドッカンドッカン笑いをとる経営者もいるのだなーと思い、緑色の本を買った思い出がありますが、とにかく明るい(大分毒もあるけどw)というのは永守社長の特徴だと言えますね。まぁ活力もものすごい。見るからにへこたれなさそう。人間的にはこれが重要だと思いました。
以上、長々と書きましたが他にも書きたいところがたくさんあります。もっと働くために酒はやめた[69]とか、会社は利益を出せ[67、76]、創業して間もないころアメリカに行って全身に蕁麻疹が出て病院に行って「How are you?」と尋ねられて「Not fine」と答えたら「ベンチャー経営者がそんなこと言っていては駄目だ。「fine」と答えろ」と言われた話とかw。これまで2冊ほど永守社長の著作を読みましたが行方不明なので、今後はこの本を(永守社長の著作じゃないけど)つまみ読みしながらモチベーションを上げてすぐやるを実行したいなと思っています。そうです。私は思いのほか泥臭いの好きです。
![]() 日本電産 永守重信が社員に言い続けた仕事の勝ち方 [ 田村 賢司 ] |